【2024年クルーズ動向まとめ】2024年クルーズトレンド|2024年初就航クルーズ船|各クルーズ会社の動向
2024年クルーズ旅行の動向
高い稼働率、予約率は2024年も続く
2023年にクルーズ旅行需要が復活、世界的に記録的な高い稼働率と右肩上がりの予約数は2024年以降も長期化すると予測され、クルーズ人口は全世界で約3,600万人になると推測されている。カーニバル・コーポレーションでは「史上最高の予約状況」で2024年を迎えており、すでに今年では占有率の2/3近くの予約があるという。またノルウェージャン・クルーズHDも2023年の稼働率は103%になり、この高水準は2024年も続くと予想されている。
中国とアジア周辺のクルーズが増加
中国市場が国際クルーズを再開されたことにより、2024年にはさらに多くの船がアジアクルーズを予定している。ロイヤル・カリビアン、セレブリティ・クルーズ、MSCクルーズ、ノルウェージャンクルーズは、中国、極東、東南アジアに数隻のクルーズ船を配船しており、中国のローカルブランド、アドラ・マジック・シティの2隻目のクルーズ船も1月に運航を開始している。
新造船14隻のデビュー
ロイヤル・カリビアン、TUIクルーズ、シルバーシー・クルーズ、キュナード等、14隻の新しいクルーズ船が2024年に初就航を予定している。(詳細下記)
新しいクルーズブランドのデビュー
サウジアラビアを拠点とするアロヤ・クルーズ、日本を拠点とする三井オーシャン・クルーズの他に詳細は未定だが旧Braemarを買収したVilla Vie Residences、旧ぱしふぃっくびいなすを買収した企業も2024年中に運航を開始する可能性がある。
中古市場の流通
新規運航者向けに引き続き利用可能な旧コスタマジカ、旧ヴィーンダムなどの中古クルーズ船もあり、今後生まれ変わり再デビューする可能性も高い。
高級・プレミアムクルーズの市場の上昇
2024年に就航する新しいクルーズ船14隻のうち、8隻がプレミアムおよび高級ブランドになっている。2023年から高級クルーズ志向への動きがあり「プレミアムクラスからラグジュアリークラスへ」「大型船から小型高級船へ」「豪華リバークルーズへ」の移行検討者が増加し、トレンドのクルーズ地域はヨーロッパ、アラスカ、ヨーロッパのリバークルーズなど10日間以上の長期クルーズが人気傾向となっている。
ニッチなクルーズの増加
長年のクルーズファンをより満足させ、より新しく幅広い客層へのアピールのため従来のサービスを維持、充実をさせながら、遠征クルーズ、アドベンチャークルーズ、リバークルーズ、大人専用クルーズ、ウエルネスクルーズ、テーマクルーズなどニッチ市場を多様化したクルーズの増加が予想される。
ひとり(ソロ/シングル)クルーズの増加
ノルウェージャン・クルーズ・ラインでは2024年1月2日より、19隻のクルーズ船に1,000以上の客室を追加し、一人用の内側客室、窓側客室、バルコニー付き客室の3つのカテゴリーも追加された。価格と空室状況はクルーズ地域と需要に応じて決まるが、従来の200%支払うよりかは安い料金で利用が可能になるとされている。
グリーンクルーズ
クルーズ業界全体として2050年のネットゼロカーボンを目標に掲げており、クルーズ会社は代替燃料への移行、廃棄物ゼロ処理システムの開発、港で発生する大気汚染の削減に取り組みが続く。
クルーズ業界のデジタル化の加速
全てのクルーズ会社は、デジタル技術に投資しており、予約業務もこのおかげで合理化されている。クルーズ業界がタッチレス乗船と時差到着、タッチレス決済、健康アンケート、健康と安全訓練、船内状況のリアルタイム可視化などの準備が進み、2024年には新たに強化された機能や方法が追加されると予想される。
2024年クルーズ旅行の懸念事項
【価格の上昇】クルーズ会社の変更(チップ、ドリンクパッケージなど)により、2024年夏のクルーズに向けて価格が非常に高くなったため家族旅行を再考する動きもある。
【港湾の政策変更】アムステルダム、バルセロナ、ヴェネツィアなどの港湾関連の政策変更(クルーズ客税、クルーズ船停泊港の変更など)が旅程変更に影響する可能性もある。
2024年米国旅行市場
米国での訪日旅行需要が高いことは2023年以前からも指摘されているが、今後のカギになるのが「超富裕層」「クルーズ旅行需要」「メキシコや中南米における訪日需要」と予想されている。
【超富裕層】富裕層のトップ数%を占める「超富裕層」はプライベートジェットなど旅行にかける支出が突出して高く、旅行地での消費額増加・経済効果が見込まれる。
【日本周遊クルーズ人気増】高級豪華クルーズに人気が高く、2024年日本周遊クルーズも完売しているクルーズ会社もある。
【中南米市場】メキシコや中南米における訪日需要が急速に高まっており、米国市場に比べてまだ小さい規模ではあるが、中南米には米国に怠らない富裕層も多く存在している。
2024年主要クルーズラインの動向
【北米市場への投資】MSCメラビリアの通年NY出航クルーズ、マグニフィカのマイアミショートクルーズ、プライベート島オーシャンケイの拡張など、北米での事業拡張のためにマーケティング、ブランド認知なども含め多額の投資を行っており、2025年にはマイアミ出航予定のワールド・アメリカ、同年11月にはシースケープをテキサス・ガルベストンを母港にするなど引き続き北米市場への投資が続く。
【中国回帰】中国のクルーズ市場が本格的に復帰し、MSCベリッシマ、今年後半にはスプレンディダを配船を発表している。
需要が加速し予約枠は拡大し続けているものの、2024年は過去全ての年を超える予約率となっており同グループは明るい見通しを立てている。
【世界最大のクルーズ船就航】初就航時点で世界最大のクルーズ船となるアイコン・オブ・ザ・シーズがマイアミ港からカリブ海クルーズを開始する。
【RCGから新造船デビュー】ロイヤルカリビアンのアイコンOTSに続き、ユートピアOTS、同グループのシルバーシーからシルバー・レイ、TUIクルーズからマイン・シフ7がデビューする。
【セレブリティクルーズ年間クルーズ】
・インフィニティ:ヨーロッパ年間クルーズ
・ビヨンド,リフレクション:カリブ海年間クルーズ
・ミレニアム:アジア通年クルーズ、夏季期間の日本クルーズ
【中国回帰】中国市場復帰のためアジアの生産能力をグループ全体の10%としており、上海と香港からスペクトラムOTS、シンガポールからアンセムOTSを配船予定。
【シングルルーム追加】NCLクルーズ19隻のクルーズ船に1,000室以上の一人専用客室を設ける。
【アジア地域に配船】ノルウェージャンスピリットをアジア地域のクルーズに配船。2025年4月までの8カ月間のシーズンに日本、韓国、台湾、東南アジアのクルーズが予定されている。
【プリマとビバ通年展開】ノルウェージャンプリマはカリブ海クルーズ、ノルウェージャンビバは地中海、ヨーロッパクルーズの通年クルーズを行う。
【テーマクルーズ】2024年ノルウェージャンパールでは音楽、料理、ライフスタイルをテーマにしたクルーズが予定されている。
【プログラムやシステムの強化】シェフズテーブル、専用料理クラスなどの刷新、専用アプリを介した下船プロセスなどシステムの強化を図る。
【イタリアンスタイル船の導入】旧コスタクルーズ船のベネチア、フィレンツェがカーニバル船となりカーニバル船とイタリアの雰囲気を組み合わせたクルーズを展開する。
【太平洋横断クルーズ】2024年に2本の太平洋横断クルーズの実施予定。
【ディズニー・トレジャー初就航】2024年末に新造船でィズニー・トレジャーが初就航予定
【プライベートアイランド】プライベートアイランド「ライトハウスポイント」がバハマにオープン予定。
2024年初就航予定の新クルーズ船
2024年に就航する新しいクルーズ船(リバークルーズを除く)はプレミアムおよび高級ブランドが半数以上を占めています。
1.クィーン・アン
(出典:Cruise Industry News)
14年ぶりの新造船デビュー。18世紀初期のアン女王にちなんで名付けられた。
【クルーズライン】キュナードライン
【総トン数】113,000トン
【初就航予定日】2024年1月11日
【航行地域】カナリヤ諸島、地中海、北欧、大西洋横断他
2.アイコン・オブ・ザ・シーズ
(出典:ロイヤルカリビアンクルーズ日本語公式サイト)
洋上テーマパークとなる超巨大クルーズ船は2024年1月デビュー後世界最大の客船となる。
【クルーズライン】ロイヤル・カリビアン・インターナショナル
【総トン数】250,800トン
【初就航予定日】2024年1月27日
【航行地域】カリブ海
3.サン・プリンセス
(出典:Cruise Industry News)
LNG燃料船の新シリーズ第一号船。プリンセス・クルーズ史上最大の船となる。【クルーズライン】プリンセス・クルーズ
【総トン数】175,000トン
【初就航予定日】2024年2月8日
【航行地域】地中海、カリブ海
4.シルバー・レイ
(出典:Cruise Industry News)
2023年に建造されたシルバー・ノヴァの姉妹船。
【クルーズライン】シルバーシークルーズ
【総トン数】54,700トン
【初就航予定日】2024年6月15日
【航行地域】地中海全域
5.メイン・シフ7
(出典:Cruise Industry News)
ほとんどの客室は海側となり、ランニングトラック、ジム、スパ、スポーツコート、クライミングウォールなどがある。最先端の環境システムも搭載され、エンジンには窒素酸化物の排出を削減するための選択触媒還元システムが装備される。
【クルーズライン】TUIクルーズ
【総トン数】110,000トン
【初就航予定日】2024年6月23日
【航行地域】北欧
6.ユートピア・オブ・ザ・シーズ
(出典:ロイヤルカリビアンクルーズ日本語公式サイト)
オアシスクラス第6隻目、多彩なアトラクション、老若男女問わず楽しめるプール、40以上の飲食店他革新的施設が満載。
【クルーズライン】ロイヤル・カリビアン・インターナショナル
【総トン数】231,000トン
【初就航予定日】2024年7月22日
【航行地域】バハマ
7.ブリリアント・レディ
(出典:Cruise Industry News)
2023年の引き渡しが予定されていたものの遅れており、2024年の就航状況も現在(2024年1月)のところ不明。
【クルーズライン】ヴァージン・ヴォヤージュ
【総トン数】110,000トン
【初就航予定日】2024年7月以降
【航行地域】詳細未発表
8.エクスプローラーII
(出典:Cruise Industry News)
MSCグループの高級クルーズ路線、エクスプローラー・ジャーニーズの2隻目。
【クルーズライン】エクスプローラー・ジャーニーズ
【総トン数】
【初就航予定日】2024年8月11日
【航行地域】地中海
9.イルマ
(出典:Cruise Industry News)
マルタ語で「水」を意味するイルマは224室のスィートルームを備え9月に地中海クルーズを開始する。
【クルーズライン】リッツ・カールトンヨットコレクション
【総トン数】37,000トン
【初就航予定日】2024年9月19日
【航行地域】地中海
10.バイキング・ヴェラ
(出典:Cruise Industry News)
バイキングでデビューする10番目の船。
【クルーズライン】バイキング
【総トン数】47,000トン
【初就航予定日】2024年12月12日
【航行地域】地中海、北欧
11.ディズニー・トレジャー
(出典:Cruise Industry News)
2022年に建造されたディズニー・ウィッシュの姉妹船
【クルーズライン】ディズニークルーズライン
【総トン数】140,000トン
【初就航予定日】2024年12月21日
【航行地域】カリブ海、バハマ
2024年転籍から再デビュー予定のクルーズ船
2024年には多数の主要クルーズ船の改修が予定されており、クルーズ会社の変更、所有者の変更、新しい市場サービスを提供する大規模な転換など多岐にわたっている。
マルガリータヴィルアットシー:アイランダー
旧コスタ・アトランティカ
旧クルーズ会社:カーニバルコーポレーション/中国国家造船総公司(CSSC)
新クルーズ会社:マルガリータヴィルアットシー
就航予定:2024年6月
昨年10月に売却された旧コスタ・アトランティカは、マルガリータヴィルアットシーアイランダーに改名され、今年6月にフロリダ・タンパから出港し米国を拠点とするクルーズ船としてデビューする。
マナラ
旧ワールドドリーム
旧クルーズ会社:ドリームクルーズ
新クルーズ会社:アロヤクルーズ/クルーズサウジ
就航予定:2024年
現在ドイツで大規模改修が行われており2024年にアロヤ・クルーズ向けに運航を開始する予定。アラブの乗客にサービスを提供するこの船は、新しい機能とサウジアラビアクルーズ向けにカスタマイズされる予定。
ミツイオーシャンフジ
旧シーボーンオデッセイ
旧クルーズ会社:シーボーン・クルーズライン
新クルーズ会社:三井オーシャン・クルーズ
就航予定:2024年12月
日本市場向けに高級クルーズを展開予定。
カーニバル・フィレンツェ
旧コスタ・フィレンツェ
旧クルーズ会社:コスタクルーズ
新クルーズ会社:カーニバル・クルーズ
就航予定:2024年4月
アメリカ西海岸を拠点とし、カーニバル船とイタリアの特徴を組み合わせたカーニバル・イタリアン・スタイルのクルーズ船になる。
セレスティアルディスカバリー
旧AIDA aura
旧クルーズ会社:アイダクルーズ
新クルーズ会社:セレスティアルクルーズ
就航予定:2024年3月
今冬大規模な改修工事が行われる予定で2024年3月から東地中海でのクルーズが開始される。
(引用:MEYER WERFT,名鉄観光クィーン・アン,Cruise Industry News,CruiseFever,やまとごころ.jp,travelmarket report,やまとごころ.jp,TRAVEL ALWAYS,Cruise Industry News(2024.1.10),CruiseBooking.com,)
2024年クルーズ動向【個人的感想】まとめ
クルーズ旅行に係る値上げ
外国船では毎日徴収される自動チップの料金が短いスパンで値上げを行っているので、今後もその傾向は続くのではないかと懸念。また、今まで「クルーズ旅行代金に含まれている」とされていた種々の値上げ(メインディッシュの追加料、クッキー、ショーなど)も試みているクルーズ会社もあるので詳細を注視する必要がある。
日本発着クルーズ減
現段階で2024年日本発着を通年で行う予定となっているのは、ダイヤモンド・プリンセスのみであり、MSCベリッシマは夏季まで、日本再開となったコスタ・セレーナは6月のチャーター3本と今まで通年近く行われていたクルーズ船が減少している。(あくまでも2024年1月現在の状況で以降増加の可能性もあり)中国市場再開、インド、サウジアラビアでのクルーズ需要が増加などの影響か、今後の各社アジア地域へのクルーズ配船状況も気になる。
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