【居住型クルーズ船について1】居住型クルーズ船とは?|居住型クルーズ船『ザ・ワールド』20年以上航行実績あり
居住型クルーズ船とは
今話題となっている『居住型クルーズ』。現在、航行中の居住型クルーズ2隻が存在しています。隻数が少なく乗客も限定されるため情報は多くはありませんが、人気と関心は高まりつつあります。
居住型クルーズとはどのような船なのか
居住型クルーズ(レジデンシャル・クルージング)とは、クルーズ船に永住、または長期滞在する住居として世界旅行を楽しむこととされています。長期滞在用に設計された船内のプライベートレジデンスを「購入」または「リース」することにより自分の家のような快適さと、毎日新しい環境の中でクルーズ旅行が楽しめるというメリットがあり、デジタルノマド、退職者、冒険好き、移動可能な住まいを求めるすべての人にとって理想的なライフスタイルを体験することができます。
◽️連続航海、または複数年に渡る世界一周航海
◽️レストラン、ジム、図書室、スパ、ビジネスセンターなどを備えている
◽️安定した船内居住者コミュニテイがある
◽️居住者にクルーズ旅程や寄港地について投票させることもある など
最近のクルーズ船はスペースX社の『スターリンク』を導入し初めているので、船内でのネット環境が高速かつ安定しているため船内で仕事ができる環境も整っているようです。
居住型クルーズではないもの
以下のような事柄は「居住型クルーズ」ではないとされています。
✖️短期連続クルーズ(休暇ではなく長期滞在を目的にするため)
✖️乗客の入れ替わりが絶えない(長期滞在者による安定したコミュニティーを保つ為)
✖️クルーズルートが限定されている(数年にわたる世界各地をクルーズする為)
✖️窮屈な船室生活(常時居住用に設計されたスイートやアパートメント,一時的な旅行ではない為)
✖️詰め込み観光(無理に観光地巡りを詰め込む必要がなく住民が投票で行きたい目的地や滞在期間を決定する為)
一般的な「クルーズ旅行」ではなく「居住ベースであり、船内でのコミュニティを大切にしている印象です。
【現在運行中】居住型クルーズ船
現在運行中の居住型クルーズ船は以下の2隻になります。(2026年8月現在)
【運行中】居住型クルーズ船
【ザ・ワールド】
◽️船名:ザ・ワールド号
◽️所有モデル:完全所有権
◽️価格帯:150〜200万ドル
◽️特徴:超高級、招待制
【ヴィラ・ヴィ】
◽️船名:ヴィラ・ヴィ・オデッセイ号
◽️所有モデル:所有、賃貸
◽️価格帯:12.9万ドル以上
◽️特徴:3年半にわたる世界旅行プラン
【現在運行準備中】居住型クルーズ船
「現在運行を準備中」という情報がある居住型クルーズ船は以下の通りです。その他にも準備中のクルーズ船がある可能性があります。(2026年8月現在)
【準備中】居住型クルーズ船
【ユートピア】
◽️船名:ユートピア号
◽️所有モデル:完全所有権
◽️価格帯:390〜3,600万ドル
◽️就航予定年:2025年就航予定だったが数回遅延している
【ストリーライン】
◽️船名:MVナラティブ号
◽️所有モデル:所有、リース
◽️価格帯:62万〜1,000万ドル
◽️就航予定年:2027年
【オーシャンレジデンス】
◽️船名:ニョルド号
◽️所有モデル:完全所有権
◽️価格帯:800万ドル以上
◽️特徴:科学・慈善事業に重点を置く
◽️就航予定年:2027年
【クレセント・シーズ】
◽️船名:ナビゲーターインシグニア号
◽️所有モデル:完全所有権
◽️価格帯:65万〜1,000万ドル
◽️就航予定年:2027年後半
◽️その他:ノルウェージャン・クルーズラインが居住型クルーズブランドに参入、同線は居住型クルーズ船として2隻目となる。2025年現在ではオーシャニア・クルーズのレガッタ級船として運航、その後全面改装を経て2027年後半から「クレセント・シーズ」の船隊として居住型クルーズとして運航される予定という。
【ソムニオ】
◽️船名:ソムニオ号
◽️所有モデル:完全所有権
◽️価格帯:2,000万ドル以上
◽️就航予定年:2027年
【クライドビルト】
◽️船名:ダークアイランド号
◽️所有モデル:完全所有権
◽️価格帯:800万〜1億1,000万ドル
◽️就航予定年:2028年
【アヴァラ・レジデンシズ】
◽️船名:アヴォラ・ルミナ号
◽️所有モデル:-
◽️価格帯:-
◽️就航予定年:2028年
◽️その他:アヴォラ・レジデンシズ社はヴィラ・ヴィー・レジデンシズを創設し、現在居住型クルーズ船として運航中の「ヴィラ・ヴィー・オデッセイ」の運行会社を所有している。アヴォラ・ルミナ号の船体はセブンシーズ・ナビゲーターとなる予定で2028年1月以降大規模改装を経て居住型クルーズ船として運航する予定。
【フェイブルド・ボヤージュ】
◽️船名:-
◽️所有モデル:所有またはレンタル
◽️所有価格(インテリアレジデンスの場合)
・所有価格:5年10万ドル/10年12万ドル/15年14万ドル
・月額(ソロ):5年5,850ドル/10年5,550ドル/15年5,250ドル
・月額(ペア):5年6,600ドル/10年6,300ドル/15年6,000ドル
◽️レンタル料金
・年額(ソロ):88,000ドル
・年額(ペア):10万ドル
◽️就航予定年:2028年
◽️その他:ペットの乗船可能、船内には専用の居住エリアにペット専用ゾーンが設けられる予定。船内にはトリミングや獣医サービスも提供される。
上記以外にも「計画中」「建設中」の居住型クルーズ船もある可能性があります。上記準備中の居住型クルーズ船も含め、具体的な初就航に関する詳細な情報は今のところは見られませんでした。計画当初よりも初就航予定年が延びている傾向が見受けられました。
未就航に終わった居住型クルーズ船
【未就航】居住型クルーズ船
【ライフ・アット・シー・クルージズ】
◽️船名:なし
◽️所有モデル:リース
◽️価格帯:年間3万ドル
◽️状態:発売前にキャンセル
◽️運行理由:運行に必要な船舶の確保、資金繰りの問題により2023年11月の出航予定日直前に計画が頓挫しキャンセルとなった。
【ビクトリア・クルーズ・ライン】
◽️船名:ビクトリア・マジェスティック
◽️所有モデル:リース(2024年現在),最低6ヶ月〜
◽️価格帯:2,399ドル/月(2024年現在)
◽️状態:出航約1ヶ月前にキャンセル
◽️運行理由:2025年7月26日に世界一周クルーズに出航予定だったが、カナダとアメリカ間の問題によりカナダ人乗客による予約キャンセルが今回の航海中止の原因となった。催行人数の乗客率80%に4月末まで届かなかったとしている。
◽️その他:同船はかつてホーランド・アメリカ・ラインが所有していた「Veendam」で2020年ビクトリア・クルーズ・ラインに売却されたことが明らかになっています。
乗船するために仕事も辞め、住居も処分していた一部の乗船予定者がSNSに寄せたコメントによると、同年12月から返金が開始されるという予定が遅れていて、このまま返金を粘り強く待つか2024年の再出航を待つか…という切ない投稿が見られました。(実際には2024年の再出航はなかったようです)
クルーズ船とヨットの違いとは
現在、運行されている居住型の船には「クルーズ船」または「ヨット」と称している船があります。
【「メガヨット」とは】「ヨット」というと日本では帆船スタイルの数人乗りの小型船を想像しますが、海外でいう「ヨット」は富裕層が所有する豪華な船を指し、帆船とは異なる船になります。全長が約33m超えを「メガヨット」約91m超えを「ギガヨット」と呼びます。メガヨットの特徴は船のオーナーであるかのようにプライベート感覚で船旅を楽しめ、乗船客はラグジュアリーホテル同様の質の高いサービス、贅沢な時間、空間が提供されます。ポナン、ザ・リッツ・カールトン・ヨットコレクションのクルーズ船などがこれに相応します。
【クルーズ船とヨットの違い】大きさ、乗客の数、運航の仕組みのなどが主な違いとされています。「ヨット」の明確な基準はないとも言われていますが下記のような違いがあります。
◾️サイズと乗客数
・クルーズ船:動く巨大な街のように大きく、数千人以上の乗客と乗組員が乗船する
・ヨット:規模が小さくプライベート感がある
◾️運航スケジュールと自由度
・クルーズ船:決まった運行スケジュール、ルートがあり多くの乗客に合わせており時間管理も厳格
・ヨット:乗客の希望に合わせて行き先や時間を自由に変更可能
◾️行ける場所
・クルーズ船:船体が大きいので、小規模な港や海には入れない
・ヨット:クルーズ船が寄港できない港などに寄れる など
「居住型クルーズ」と「クルーズ船に居住している人」
「居住型クルーズ(船)」というのは『動く海上超高級マンション』であることから、その居住者(乗船者)になるには「自宅の処分」「多額の費用」の用意などが必要であることがわかりました。現在居住型クルーズ船として世界をクルーズ中の船は2隻とされていますが、それ以外で普通のクルーズ船を乗り継いでいる「クルーズ船に居住している人」の人口は実際には多いと思います。居住型クルーズ船のレジデンスを所有やレンタルするのはハードルが高いですが、普通のクルーズ船を乗り継ぐのは期間の長さにもよりますがチャレンジ可能な気もしました。
居住型クルーズのメリット・デメリット
【居住型クルーズのメリット】
◽️ホテル暮らしを体験できる
◽️掃除、食事など生活のほとんどを任せることができる
◽️世界中を旅することができる など
【居住型クルーズのデメリット】
◽️購入または賃貸料が高い
◽️運航中のクルーズ船が少ない
◽️料金支払い後に運航がキャンセルになる可能性がある
◽️運航が延期または中止になる可能性がある など
居住型超豪華クルーズ船 『ザ・ワールド』
現在運航中の居住型クルーズ(ヨット)船『ザ・ワールド』は初就航から約四半世紀が経とうとしています。2025年には大規模修繕が行われ、現在空いているレジデンス(船室)はないということで超高級でありながらその人気は衰えを知りません。日本にも度々入港しニュースにもなっています。
居住型ヨット:The World(ザ・ワールド)

(Photo by :The World Residences at Sea)
ザ・ワールド号はで同種の船としては唯一無二である地球上で最大のプライベート居住用ヨットです。あらゆる海洋と大陸を横断する航路を継続的に運行しており、日本にも神戸港、小樽港、高松港などに複数回寄港している実績があります。
◽️運航会社:米国レジデンシー社
◽️船籍:バハマ
◽️就航年月:2002年2月
◽️総トン数:43,188トン
◽️全長:196.35m
◽️最大幅:29.8m
◽️デッキ数:12
◽️乗組員:280人
◽️客室:165室
運行開始から約25年、現在も世界中を運行しています。同船は「同じ港に2度寄港することはない」と言われていますが、過去には日本の港に複数回の寄港実績があります。
【2025年に改装】同船は2025年に大規模な改修が施された。約3,000万ドルを超える公費が投じられ200以上のプロジェクトが完了したとされている。
・スターリンク、Wi-Fiシステムなど高速で安定したデジタル接続
・新しい冷却装置、空調機器の設置によりエネルギー使用量を削減
・約50室の居室のアップグレード
・屋外ラウンジの設置
・トリートメントルームの床暖導入 など



(Photo by :The World Residences at Sea)
◾️講義、学習など:ノーベル賞受賞者をはじめとする著名な科学者、芸術家、学者とのプレゼンテーションや少人数制のディスカッションへの参加
◾️写真、美術、舞台美術のワークショップ:著名な講師、フィットネス専門家、写真家によるガイド付きツアー
◾️ゴルフクリニック、テニスクリニック、フィットネス
◾️ワインプログラム、美食体験 など
【The World】購入情報
◽️所有方法:購入
◽️船室タイプ
・スタジオタイプ(44戸)
・1〜2ベッドルームのスタジオタイプ(20戸)
・2〜3以上のレジデンス(104戸)
◽️全船室数:165戸
◽️価格:250万ドル〜1,500万ドル
◽️購入諸費用:入会金、年間所有費用、保証金の他に船内居室を購入する際の譲渡手数料
◽️年間維持費:所有泉質の面積に基づき算出され、費用には居住者負担分の船舶管理費、運航費、乗組員の報酬、船内での飲食費が含まれる
◽️居住者の所有権
・居住権
・ザ・ワールド・レジデント・ホールディングスの株式
・居住施設の内容物
◽️購入条件
・純資産1,000万米ドル以上または直近2年間および予測可能な将来において税引後純収入が100万米ドル以上であること
・良好な推薦状、犯罪歴がないこと、ザ・ワールド居住者からの推薦状2通
・年間維持費12.5%に相当する保証金
・身元調査の合格
◽️現在の販売状況:2006年6月に完売し、その後ごく少数の中古物件が出る。市場に出回る期間の平均は6〜9ヶ月ですぐに売れる場合もあれば、期間がかかる場合もある
◽️融資の提供:なし。支払い条件は売主と買主で交渉し、ほとんどの場合は現金払い。
◽️その他:居住権の売却、賃貸、貸与、遺贈が可能
【The World】特徴
◽️オーナーは自宅感覚で居住、自由に乗り降りが可能
◽️友人や家族の滞在も可能
◽️乗客のセキュリティーとプライバシーのため、コースや日程、乗客数は非公開
◽️船の行き先はオーナーである乗客が「自治会」で決定
◽️20カ国150世帯、平均居住人数は約150〜200名から集まる多様な居住者
◽️通年乗船居住者もいるが、大多数は仕事をしながら船上で3〜4ヶ月を過ごす乗客もいる
「セキュリティーとプライバシーのためにクルーズコースは非公開」とありますが、オフィシャルwebサイトには2027年までの航海地域はざっくり出ています。居住者による「自治会」があり、平均居住者数が150名程度とのことなのでコミュニティが密な居住空間である雰囲気と言えます。その人数とコミュニティが『アットホーム』感があるのかどうかはわかりませんが、コミュニティが密である場合、それを好む、好まざるという問題は出てくるのではないかな、と思いました。
◾️公式サイト:The World Residences at Sea(英語)
◾️Youtube:The World-Residences at Sea(英語)
【参考/Information source】ザ・ワールド(旅客船)Wikipedia,The World Residences at Sea,iCruise クルーズスタイルあれこれ,WEB CRUISE,Crusing Fulltime,Residential World Cruise Postponed Due to Canadian Booking Fallout,VICTORIA CRUISE LINE,New Designs Revealed for Residential Ship Setting Sail in 2028,New Residential Cruise Brand Reveals Second Ship From Norwegian,Regent’s Oldest Ship to Exit Fleet in 2028 Under New Residential Cruise Agreement,FABLED VOYAGES,


