【news】航海再開のクァンタム・オブ・ザ・シーズ乗船者にコロナ陽性反応、後に偽陽性に

シンガポール政府観光局「無寄港クルーズ」を許可

シンガポール政府観光局は2020年10月、シンガポール発着の無寄港遊覧クルーズ「どこにも寄港しないクルーズ」をロイヤル・カリビアン・インターナショナル(RCI)と現ティン・クルーズラインに運航を許可した。

世界的に未だ新型コロナウイルスの感染の収束が見えない中、「どこにも寄港しない」クルーズは新型コロナウイルスの感染リスクを軽減し、クルーズを楽しむことができる。
またアジアの主要ハブ港であるシンガポール港発着クルーズということで『今回の判断は「大きな後押し」になるだろう』とMarketWatchで報じられていた。

ゲンティンドリーム「ドリーム・クルーズ」は11月よりスタートしており、RCIの「クァンタム・オブ・ザ・シーズ」は12月1日から3〜4泊の無寄港クルーズを予定していた。

クァンタム・オブ・ザ・シーズ乗船客に陽性者

クルーズ再開にあたり、RCIも感染予防対策に十分な準備を用意していたはずだが、12月9日、この「どこにも行かないクルーズ」中にクァンタム・オブ・ザ・シーズの乗船客(83歳男性)の一人が新型コロナウイルス検査で陽性反応を示したことをRCIが発表、クルーズの途中で同船はシンガポール港へ戻ることとなり、これにより10日出発予定のクルーズが中止となった。
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(Photo:AFP BB News(c)Roslan RAHMAN / AFP)
シンガポール政府観光局は、「陽性者の濃厚接触者の追跡が完了するまで、同船の乗船乗員は全て船内にととどまり、停泊中の港から出られるのは検査を必ず受けてから」と発表した。

RCI代表者は今回の件について以下のように述べている。

「政府と緊密に連携し、乗客と乗組員全員の検査、監視システムを整備している」と強調。「1人の感染者を素早く見つけ、すぐに行動に移せたのは、システムが狙い通りに機能している証拠だ」(出典:CNN.co.jp)

RCIは12月9日夜、同船に乗船していた乗船客全員に対し、クルーズ中止となり帰港が早まった分の料金の補償をすると発表している。

陽性者が確認されたクァンタム・オブ・ザ・シーズには乗船客1,680人、乗務員1,148人が乗船、乗船客は定員の50%としていた。
乗客は全員、事前検査での「陰性」証明書を提示、客室外の船内ではマスクの着用が求められていた。また、乗船客は「シンガポール居住者」に限定され、世界各国から集まる乗組員は乗務前にシンガポール内で14日の隔離を義務づけられていた。

乗船客の陽性者、3回目の判定は「偽陽性」

シンガポール保険省は12月10日、クァンタム・オブ・ザ・シーズの乗船者で同船内での新型コロナウイルス検査で陽性反応が出た男性について、その後3回の再検査を行ったが「陰性」であったことを発表した。

偽陽性とされた乗船客男性は、乗船中に下痢などの症状を訴え、船内で新型コロナウイルスの検査を行ったところ「陽性」の判定が出ていた。12月9日、シンガポール港に戻り、男性は再検査などのために入院、船内で接種した検体と新しい検体をシンガポール国立講習保健研究所で検査したが陰性と判定された。
同保健省は12月10日に再検査を実施、再び陰性判定となったことからこの男性が新型コロナウィルスに感染していないと結論づけたという。

シンガポール政府観光局はこの「どこにも行かないクルーズ」は継続すると明らかにし、新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃を受けたクルーズ業界の再生を目指すとしている。

(出典:BUSINESS INSIDER,AFP BBNews,CNN,NNA、JIJI.com)

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