【news】プルマントゥール破産法に基づき事業再編を申請,保有船は解体へ
コロナによる自主運休による経営悪化
(Photo by CRUISE HIVE)
ロイヤル・カリビアン・クルーズ・リミテッド(RCCL)傘下の船会社プルマントゥール(スペイン)は6月22日、スペインの破産法に基づき事業再編を申請したしたことを発表した。
プルマントゥールの取締役会では、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大により、クルーズの自主運休が続いたことから前例のない経営環境の悪化による影響を受けたという。取締役では、スペイン当局に申請書類を提出後、従業員にこれを通知したとしている。
プルマントゥールの株は51%をクルーズ・インベストメント・ホールディングスが保有し、残りの49%をRCCLが保有する。
プルマントゥールは予定していた2020年11月15日までのクルーズを全て中止を。すでに予約をした人には、ロイヤル・カリビアンやセレブリティ・クルーズなどRCCLが持つ他のブランド船への振替が提供される予定としている。
プルマントゥールクルーズとは
プルマントゥールクルーズは、スペインの大手旅行会社プルマントゥールの部門会社であり、スペイン語圏の乗客を対象としたクルーズを実施している船会社。
スペイン語圏の乗客を対象としているため、船内の公用語はスペイン語としており、スタンダード船では珍しいオールインクルーシブ制を採用している。
地中海では定期クルーズも多く、発着港を選べるなど利便性も高いクルーズを実施している。
保有船はソブリン(73,529千トン)、モナーク(73,937トン)、ホライズン(47,427トン)。2021年にはロイヤル・カリビアンからグランジャー・オブ・ザ・シーズが移籍する予定だった。
保有船3船の今後は
プルマントゥール の保有船、ソブリン、モナーク、ホライゾンは今後は?
ホライゾン
セレブリティクルーズのクルーズ船として1990年に製造された。外観はやや角ばっているが、船内はレセプションエリア、高い天井が特徴的な船だった。
2005年にセレブリティクルーズから2017年にプルマントゥールのクルーズ船となった。モナーク、ソブリンのように付属品が取り除かれたという話はないが、再び就航する可能性は非常に低いとされている。
モナーク
1991年にロイヤル・カリビアンのモナーク・オブ・ザ・シーズとして製造され、2013年にプルマントゥールへ移籍した。現在は地中海を航海中だが、まもなく解体されることになっている。
ソブリン
1988年にロイヤル・カリビアンのソブリン・オブ・ザ・シーズとして製造され、当時最大のクルーズ船で、高層アトリウムを取り入れたクルーズ船だった。
2008年にプルマントゥール へ移籍、モナークと同様に2020年6月、イタリア・ジェノバで全て貴重な付属品が取り除かれ、まもなく解体されることになっている。
(出典:CRUISE HIVE,『クルーズ客船データブック2020・2021』海事プレス社)