【news】クルーズ運行会社最大手カーニバル社倒産の危機

新型コロナウイルスが感染拡大する中クルーズを続行に批判


(Photo by CruiseFever2020.5.4)
カーニバル・クルーズ・ライン(アメリカ)は、カーニバルクルーズの他、プリンセスクルーズ 、コスタクルーズ 、キュナードラインなどのクルーズラインを傘下に持つ、クルーズ業界最大手のクルーズ運航会社である。新型コロナウイルスの感染が広がる中、乗客乗員を感染のリスクにさらす可能性がありながら、クルーズを催行していた同社経営幹部が避難を浴びている。
ブルームバーグの報道によると、同社は3月半ばに新たなクルーズの出航を中止したが、それまでの間適切な予防措置を取らなかったため、乗客乗員1,500人以上が新型コロナウイルスに感染してしまった。カーニバルの傘下であるプリンセスクルーズが運行するクルーズ船、ダイヤモンド・プリンセス船内で乗員乗客700人以上が新型コロナウイルスに感染したのをはじめ、現時点(2020年4月下旬)でカーニバル傘下のクルーズ船7隻が海の上で新型コロナウイルスのホットスポットとなっている。カーニバル経営幹部は、船内に残されている乗客の保護の対応に全力を尽くしていると話している。

米政府発表の景気刺激策からクルーズ船は除外

2020年3月21日、トランプ政権が発表した2兆ドル(約220兆円)の新型コロナウイルス対策の大型景気刺激策からクルーズ船業界は除外されており、救済措置を受けることができないことから、ビジネスニュースサイト「カルチャーバンクス」は、カーニバルは経済的向い風は避けられないだろうと指摘した。
カーニバルのドナルドCEOはニュース専門チャンネルCNBCに対し「今年いっぱい収益があげられなくても、カーニバルには十分な資金力があるので心配していない。」と語った。
カーニバルは2020年第一四半期に減益、7億8,100万ドルの赤字となり、前年度の運営費と経費額が129億ドルで今年も同水準化それ以上の支出となれば倒産の危機に直面しかねない。カーニバルの株は年初来、約75%下落し長期的に見て倒産する可能性も残されている。

クルーズ業界未来、二極化の予測

ビジネス・インサイダーによると、3月前半までの2週間の間、カーニバルの乗客のほぼ半数は、クルーズ料金の返金ではなく、先で乗船できる無料券を受け取る方を選択していたことが明らかになった。
カーニバルの顧客は今後クルーズ船の出航に許可が出るまで同社を見捨てないということなのかもしれない。しかし、証券会社のアナリストは「リスクと必要性の観点から、クルーズ船での旅は最も後回しになる。クルーズ船に乗って海へ出かけたいという人はほとんどいなくなるのではないか。」とし、今後のクルーズ業界に対し厳しい見方をしている。

カーニバルは4月13日、6月26日まで出航するクルーズの中止を発表した。CDC(米疾病予防管理センター)は9日アメリカが管轄する海域でのクルーズ船運行を7月まで停止するように通達を出した。CDCは、カーニバルがクルーズ船での感染拡大をエスカレートさせていると見ている。

(ニュース元:Forbes Japan2020.4.27)

クルーズが再開されたら「クルーズ船に乗って海へ出たい」とは思うし、そう願っているクルーズファンは沢山いるだろうと思います。
しかし、クルーズ業界全体、各クルーズ会社が感染症予防に対しての細かな対策、速やかな対処法、感染者が出たときの責任の所在(運航会社なのか、船籍国なのかなど)などを明確にしない限り、乗船客がすぐに戻るとは思えません。

カーニバルクルーズは「クルーズ船を8月から段階的に再開する」というニュースが出ていますが、その一方で長崎に停泊している傘下のクルーズ船、コスタアトランチカでは帰国できていない乗員が多数おり、感染者も出ています。母港へ帰れていないクルーズ船など全て戻し、リスタートして欲しいと思います。

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