【news】秋田港 22万トンクラス客船に対応可能なクルーズ専用岸壁整備計画|進む日本の他港の大型客船受け入れ対策

現在、東京国際クルーズターミナル(東京・お台場)、新港地区客船ターミナル(仮称/横浜みなとみらい21)をはじめ周辺ふ頭が大型クルーズ船着岸可能の岸壁を建設中ですが、秋田港にも世界最大22万トンクラスに対応可能なクルーズ専用の岸壁を整備する計画があると、あきたクルーズ振興協議会が9月5日に都内で発表しました。

ポートタワーセリオン前を専用岸壁に

新しいクルーズ専用岸壁は秋田港に隣接するポートタワーセリオン(全高143m)前に水深11m、延長450mの岸壁を整備する予定。
周辺を埋め立てて約6ヘクタールを緑地化や道路整備など景観やレクリエーション機能を向上させる予定とのこと。(詳細以下)
来年度に予算を計上し、2030年半ばまでに供給したい意向とのこと。

周辺を完備し市街地へ誘導しやすく

秋田県の地方港湾審議会説明資料『秋田港港湾計画(改訂)』によると、2033年には年45回の最大22万トン級の大型クルーズ船の着岸を予定しているとのこと。

大型クルーズ船専用岸壁ができるポートタワーセリオン周辺も空間や賑わいのイメージ構想も検討されているようです。
(引用:国土交通省・秋田港港湾計画改訂)

1.セリオン物販世説の拡張(工芸品の販売促進)
2.臨港道路、国道7号からのアクセスを改善・駐車場の位置変更
3.市街地へ誘導しやすくするためのセリオンロードの接続の強化
4.イベント広場や遊具などの整備・にぎわいの創出
5.国際コンベンションセンター、全天候型アリーナなど交流拠点エリアの拡張
6.クルーズ列車の運行

中島ふ頭が22万トン級受け入れに

現在秋田港の中島岸壁は11万トンクラスまで対応可能ですが、係船柱などを整備する工事が10月中旬ごろに完成予定となっており、完了後は22万トンクラスの着岸が可能になる予定です。

他港の大型船誘致計画・取り組み

博多港(福岡県)
寄港需要が多いものの受け入れ体制が追いついてない状況のため、より大型のクルーズ船が着岸できるよう岸壁の延伸工事を実施中。

八代港(熊本県)
ロイヤル・カリビアン・クルーズが旅客ターミナルを、国が岸壁、熊本県がふ頭用地整備を担当する官民共同事業が開始された。

旅客受け入れに必要な大型バス駐車場(県)、22万トン級対応クルーズ船専用岸壁(国)、旅客ターミナル・集客施設(ロイヤル・カリビアン)が担当し拠点供用開始は平成31年度(2019年)頃とされています。

舞鶴港(京都府)
5年を目処に一部埠頭の深水を0.5m深い10mにし大型船誘致のためのインフラ整備を進める。

伏木富山港 (富山県)
2019年3月までにクルーズ船の受け入れ可能能力を16万トン級から22万トン級に拡大する。

大阪港(大阪府)
2014年から大阪港に寄港するクルーズ船への給水料を無料化にする取り組みを全国初展開し、入港の促進となっている。
500トンで約32万円かかる水の代金、岸壁使用料も免除しており15万トン級船舶ならば300〜500万円超の経費負担軽減となり2018年の寄港数は2017年より36%増加見込みだという。

また、客船の大型化の対応のため接岸設備を改良し、16万トン級への対応も可能となった。

現在、築約50年という客船ターミナルの現在の課題は老朽化やバリアフリー対応、スペックが狭く入出国に時間がかかるという点があり昨年末に大阪市が実施した整備事業の公募が残念ながら不調に終了。条件などを見直し早期整備を見直す方向だという。

東京、横浜、秋田だけではなく日本の各港が大型クルーズ船誘致のために港の整備を進めているようです。
大型クルーズ船の入港による経済効果の期待は高まりますが、受け入れた後の交通手段の整備や確保、ご当地で消費してくれるような仕組みなどの課題はまだこれから、という印象です。
特に港施設が非常に「さみしい」状態は否めません。これからの発展に期待したいと思います。

(引用:NIKKEI STYLE、WEB CRUISE、秋田魁新報、訪日ビジネスアイ)

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